人が健康な生活を送る上で必要な要素として
1:食事
2:睡眠
3:運動
が必要な要素であることは言をまたない。
その中で
1の食事と3の運動は様々な情報も多く発信され比較的に解り易いこともあり今日多くの人が
自身にあった範囲で食の安全や量、食べ方などに気を配っている。
又運動に関しても様々な形で取り入れられ、ウォーキングやランニング、ジムでのトレーニング
なども活発に行われている様に見受けられる。
それに対して睡眠は個人の居住空間の最も私的な空間で行う行為でもあり未だ見える化
されていない領域のままに取り残されている。
又人は眠らなければ死に至る生命の宿命からも、あるいは一定時間の覚醒の後には必然的に
どのような形であれ寝ることは出来る。
睡眠時無呼吸症候等の結果日中の活動中や仕事中の事故などの発生で漸く睡眠の問題が
注目されるようになってきたことは良いとしてもこれなども実は睡眠に潜む問題の大きさを示唆していると言える。
又漸く注目される様になったとは言え、未だその多くは睡眠時間の短さに問題を求める程度である現状もある。
日本の睡眠環境と日本人の睡眠には日本の住宅事情と生活様式からくる睡眠環境
も大きく関っている。
住宅が狭い為に寝具は折りたたんでしまう必要がありその為に折り畳みや収納性の良いもの
を優先順位に選ぶ傾向がある。
固い畳や床の上に柔らかく軽い敷布団を敷いて寝る習慣が長く続いてきている為に敷寝具
環境には特に問題が多く存在する。
日本人の多くが抱える身体の疾患の内、寝て起きての腰痛や背中痛、肩や首の痛みの
多くは睡眠中に発生し増幅されている。
にも拘らず多くの人は生まれた時から周りの環境や親の生活習慣で受け継いでいる敷寝具環境に
疑問も感じることなくこうした敷寝具環境を受け入れている。
一方でこうした環境が生み出している首、肩、背中、腰の痛みや十分な質の良い睡眠がとれていない
にも拘らず、これらの人達が腰痛には「柔らかい敷寝具、マットレスは良くない」とか、「硬い敷寝具や
煎餅布団が腰痛には良い」等の意識を無自覚にあるいは一知半解的に持っている等の現状は
悲劇を通り越して喜劇的であるとさえいえる状況が未だ存在している。