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睡眠で記憶力が向上、運動能力が向上する理由

睡眠が脳を活性化させ記憶力、運動能力を向上させる。

眠りはただ疲れを取る為に受動的に眠るだけでなく、
その間にも脳は活発に活動していることが益々わかってきています。
その事で
眠ることで記憶力が向上する

眠ることで運動能力が向上する

というものがあります。

睡眠時に脳は活発に活動している?

脳は睡眠中ただ休んでいるわけではない。
情報を整理したり、記憶にとどめる作業を活発に行っています。
脳は起きている間は五感の全てを駆使し膨大な情報を受け取りますが、それらを
全て記憶に定着させることは出来ません。
その為に情報の受け入れが遮断されている睡眠時に日中に得た情報を整理し、分類し記憶に
留める作業を行っています。
さらに最近の研究では睡眠中の脳は、何を覚えておかなければならないか、どの情報を消去するかを
無意識の中で取捨選択し、「賢く記憶を選別している」ことも解ってきたそうです。
即ち
起きている時の脳情報を受け入れ睡眠中の脳はデータの整理をしている
ということ。
「起きている時に思い付いたアイデアや思考がなかなかまとまらなかったのに、一晩寝たら
纏まっていた」
という経験は誰にでもあるでしょう。
これは睡眠により記憶と思考が整理されたという解り易い例と言えましょう。
この様な働きは主にレム睡眠が中心に担っていますが、最近はノンレム睡眠時にも記憶の整理や定着が
行われていると考えられいます。

(睡眠と脳の科学 古賀良彦氏 著作)より

記憶とは何か?


記憶には
1:感覚記憶(1~2秒)
  音や映像等一瞬で忘れる記憶 
2:短期記憶(20秒~1分)
  時間がたつと忘れてしまう記憶
3:長期記憶(長時間~一生)
  知識を身に付けたり、運動能力を高める等長時間覚えておかなければならないもの。

の3種類に分類されます。

(睡眠と脳の科学 古賀良彦氏 著作)より

睡眠と記憶力

実験は二人の参加者に10語の無意味な綴りを記憶させ、
途中で睡眠をとった時と取らずに起きていた時の二つの条件で
テストを4回(1,2,4,8時間後)行ったもの。

(1924年の実験より)
のグラフ線が睡眠をとった時の記録
のグラフ線が睡眠をとらなかった時の記録

結果は二人とも睡眠をとった時の方が多くの綴りを記憶していたことが実証されています。
この実験結果に対して
1924年当時の受け止められ方は
起きている参加者に目と耳から外部の刺激が入ってくるが、寝ていればその様な刺激がいらない。
その為記憶の喪失が抑制されると考えられていたそうです。
その後睡眠後の課題成績が飛躍的に向上するというデータが提出される等の結果
睡眠中には記憶、学習過程が進行すると明らかになった。

近年(1997年の海外での)研究でも
睡眠は記憶の喪失を押さえるだけでなく、記憶力を高める効果があることが証明されています。
24語の単語を
22時15分から23時まで45分間学習
どの程度覚えているかをチェックし
成績が60%に達した時点で学習を止め
どの程度覚えているかを
学習後に睡眠をとってテストを受けたグループの成績 成績は32.4%UP
学習後に睡眠をとらず起きていてテストを受けたグループの成績 成績は16.5%UP
(睡眠と脳の科学 古賀良彦氏 著作より)
 

睡眠で運動能力が向上する

睡眠は運動能力が向上にも関わっています。

実験はスクリーンに表示された数字を予め決められた指でどれ位正確にキーボード
でたたけたかを測定したもの。
参加者をA,Bの2グループにわけ
Aグループ;10時に練習、22時に1回目テスト後に睡眠をとり、翌朝10時に2回目テスト実施
Bグループ;22時に練習、睡眠をとった後翌朝10時に1回目テスト、22時に2回目テスト実施
結果はグラフが示す様に
Aグループでは練習直後より睡眠後のテストで大きく回数が伸びていることを示し
Bグループは睡眠後の翌朝10時、22時共にAグループの睡眠後の回数と同等かそれ以上
の向上を示していることが良く分かります。
この事からも睡眠が運動能力を向上させることを示していると言えます。

(睡眠と脳の科学 古賀良彦氏 著作)より
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